集英社への転職は難しい?各部門で必要なスキルや転職のポイントを解説

集英社への転職は難しい?各部門で必要なスキルや転職のポイントを解説

集英社は、出版業界を代表する企業であり、転職先として非常に高い人気と知名度を誇ります。多くの人にとって憧れの企業である一方、知名度の高さゆえに、実際の転職は決して容易ではありません。

本記事では、集英社の各部門の具体的な仕事内容やそれぞれで求められるスキル、転職を成功させるためのポイントなどを解説します。集英社への転職を検討している方は、ぜひご覧ください。

集英社への転職は基本的に困難

集英社への転職は基本的に困難

出版業界の最大手である集英社への転職は、難易度が高いと考えられています。特に中途採用の正社員募集は非常に少なく、経験者であっても入社は容易ではありません。集英社の転職事情について、詳しく解説します。

出版業界は中途採用の応募が出ること自体が少ない

出版業界は中途採用の応募が出ること自体が少ないです。多くの大手出版社は、新卒一括採用を人材確保の基本としており、組織の根幹を担う社員は生え抜きで育てていく文化が根付いています。

中途採用を行う場合でも、デジタル部門や法務部門など、特定の分野で高い専門性を持つ即戦力を求めるケースに限られることがほとんどです。

集英社でも基本的には一括採用を行っています。ただし、「2000年(平成12年)4月2日以降生まれの方で、4年制大学を2026年3月までに卒業見込みの方、またはすでに卒業している方」が条件となっているため、社会人経験があっても要件を満たしていれば応募が可能です。

第二新卒は新卒と同じ枠で応募することになる

集英社では、第二新卒者向けに特化した採用枠は基本的に設けていません。前述の通り、特定要件での一括採用のみを実施しているので、新卒者と同じ条件で応募することになります。

一方で、社会人経験があっても応募が可能なので、短いながらも社会人経験を積み、スキルや経験などを得ることで、新卒者と差をつけることが可能です。

アルバイト採用も応募倍率が高い傾向がある

集英社は応募倍率が高いことから、正社員への道が険しいといえます。そのため、まずはアルバイトとして経験を積もうと考える人も多いです。

しかし、集英社はアルバイト採用も人気が高く、応募倍率は高い傾向にあります。編集アシスタントや事務スタッフといった職種で募集が出ることがありますが、求人が公開されると短期間で多くの応募が集まります。

アルバイトであっても、エンタメへの熱意や基本的なビジネススキルが求められる、狭き門であることに変わりはありません。

関連会社は積極的な応募を実施

集英社本体への転職は困難ですが、グループ会社に目を向けると、採用の門戸は広がります。例えば、キャラクターグッズの企画・販売、Webコンテンツの制作・運営を担う「株式会社集英社アーツ&デジタル」などの関連会社が存在します。

上記のような企業では中途採用を積極的に行っている場合が多く、専門スキルを活かせる可能性があります。まずは関連会社で経験を積むことも、有効なキャリア戦略です。

集英社の編集部門における主な仕事内容

集英社の編集部門における主な仕事内容

集英社の編集部門には、大きく分けて以下の3部署が存在します。

  • マンガ編集部署
  • 書籍編集部署
  • 取材誌編集部署

それぞれ詳しく見ていきましょう。

マンガ編集部署

マンガ編集部署は、集英社のアイデンティティとも言える、漫画作品の創出を担う部門です。漫画家との打ち合わせを重ね、ストーリーやキャラクター造りを共に考え、作品を完成へと導きます。

また、新人漫画家の発掘・育成も重要な仕事です。「週刊少年ジャンプ」や「りぼん」、「週刊ヤングジャンプ」など、雑誌やWeb媒体ごとに編集部が分かれており、それぞれが読者層に合わせた作品作りを行っています。

書籍編集部署

書籍編集部署は、文芸書・新書・実用書・写真集・児童書といった、漫画以外の幅広いジャンルの書籍を手掛ける部門です。作家や著者との打ち合わせを通じて企画を立案し、原稿の編集、校正、装丁デザインの決定まで、一冊の本が完成するまでの全工程を管理します。

文芸誌「すばる」や「青春と読書」などの編集も担当しており、日本の出版文化を支える重要な役割を担っています。

取材誌編集部署

取材誌編集部署は、ファッション誌や情報誌など、取材に基づいてコンテンツを制作する雑誌を担当します。モデルやタレント、カメラマン、スタイリストといった多くの外部スタッフと連携する機会が多いのが他の部門との大きな違いです。

「non-no」や「MORE」、「週刊プレイボーイ」など、往年の人気雑誌を数多く手掛けています。読者の興味を引く企画力と、多くの関係者をまとめる調整能力が求められる仕事です。

集英社のビジネス部門における主な仕事内容

集英社のビジネス部門における主な仕事内容

集英社のビジネス部門には、以下のような部署が存在します。

  • 販売部署
  • 宣伝部署
  • メディアビジネス部署
  • 資材、制作部署

それぞれ詳しく見ていきましょう。

販売部署

販売部署は、集英社が発行する書籍や雑誌を、全国の書店やコンビニエンスストアに届ける役割を担います。取次会社と連携し、どの書店にどの本を何冊配本するかを決定します。

過去の販売データや市場の動向を分析し、売上を大きくするための販売戦略を立てることが主な業務です。また、書店でのフェアやイベントの企画提案も行い、読者と作品の出会いの場を創出します。

宣伝部署

宣伝部署は、書籍や雑誌・漫画といったコンテンツの魅力を世の中に広め、ヒットを生み出すためのプロモーション活動を行う部署です。

テレビCMや新聞広告、Web広告の企画・出稿や、SNSでのキャンペーン、プレスリリースの配信、著者イベントの企画運営など、さまざまな手法でユーザーの購買意欲を高めます。

作品のターゲット層を分析し、心に響くメッセージを届けるための戦略的思考と実行力が求められます。

メディアビジネス部署

メディアビジネス部署は、集英社が持つ豊富なコンテンツやブランド力を活用し、広告収入やライセンス収入を得るための事業を展開する部署です。

雑誌やWebメディアの広告枠を企業に販売する広告営業や、漫画やキャラクターを国内外の企業にライセンス提供する版権ビジネスなどを行います。コンテンツを多角的に活用し、会社の収益を拡大させる重要な役割を担っています。

資材・制作部署

資材・制作部署は書籍や雑誌を製造する上で不可欠な紙の調達や印刷・製本工程の管理を担当する部署です。製紙会社や印刷会社といった外部パートナーと連携し、品質の高い出版物を定められたコストと納期で安定的に製造するための管理業務を行います。

出版物という「モノ」作りの根幹を支える専門性の高い仕事であり、コスト意識や品質管理能力、交渉力が求められます。

集英社のコーポレート部門における主な仕事内容

集英社のコーポレート部門における主な仕事内容

集英社のコーポレート部門には、以下のような部署が存在します。

  • 経理部署
  • 総務部署
  • 法務部署
  • 人事部署

それぞれ詳しく解説します。

経理部署

経理部署は、会社全体の資金の流れを管理し、経営判断をサポートする重要な役割を担います。日々の伝票処理や月次・年次決算業務、税務申告といった定型業務に加え、各部門の予算策定や実績管理、資金調達なども行います。

作家への印税支払いや、海外との取引に関する会計処理など、出版業界特有の業務も発生するのが特徴です。他業界で経理業務の経験があれば、転職が狙いやすい部署といえます。

総務部署

総務部署は、社員が働きやすい環境を整え、企業活動を円滑に進めるための幅広い業務を担当する部署です。オフィス環境の整備や備品管理、株主総会や取締役会の運営、社内規定の管理や福利厚生制度の運用など、仕事内容は多岐にわたります。

基本的に社内の全部門と関わる機会があるため、高いコミュニケーション能力と、さまざまな課題に対応する問題解決能力が必要です。

法務部署

法務部署は、企業の法律に関する業務全般を担当し、事業活動を法的な側面から支える専門部署です。契約書の作成・審査、著作権や商標といった知的財産権の管理、コンプライアンス体制の構築・推進などを行います。

海賊版サイトへの対応や、M&Aに関する法務手続きなど、エンタメ業界特有の課題も扱います。法律に関する専門知識とビジネスへの深い理解が不可欠です。

人事部署

人事部署は、企業の最も重要な資産である「人」に関する業務を担当します。新卒・中途採用活動をはじめ、社員の配置や異動、人事評価制度の設計・運用、研修制度の企画、労務管理などを行います。

社員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、成長できるような環境を整えることがミッションです。人のキャリアに深く関わる仕事であるため、高い倫理観とコミュニケーション能力が求められます。

集英社への転職に必要なスキル

集英社への転職に必要なスキル

集英社で経験者採用を行う機会は少ないため、転職を目指すのであれば、求人が出た時に備えて綿密な準備を行うことが重要です。それぞれの部門で求められるスキルについて紹介するので、あらかじめ取得しておくことをおすすめします。

編集部門で必要なスキル

編集部門で活躍するためには、多岐にわたるスキルが複合的に求められます。面白い企画を生み出す発想力や、世の中のトレンドを捉える情報収集力は基本です。

その上で、作家やクリエイターの才能を引き出し、信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が必要になります。

また、締め切りを管理し、多くの関係者を動かすプロジェクトマネジメント能力や、誤りを見逃さない校正能力も重要です。

ビジネス部門で必要なスキル

ビジネス部門では、職種に応じた専門スキルが求められます。販売部署であれば、市場データを分析して販売戦略を立てる能力や交渉力が必要です。

一方、宣伝部署では、広告やPRに関する知識、デジタルマーケティングのスキルが重要になります。

また、メディアビジネス部署では、法人営業の経験やライセンス契約に関する知識が武器となります。出版業界での経験に加え、他業界での専門経験も活かせる部門です。

コーポレート部門で必要なスキル

コーポレート部門では、各分野における高い専門性が求められます。

経理部署であれば簿記の資格や経理実務経験、法務部署であれば法学部出身であることや企業法務の経験、人事部署であれば採用や労務管理の実務経験があれば、選考でアピールしやすくなるでしょう。

出版業界の経験は必ずしも問われないため、他業界で磨いてきた専門スキルや経験を特に活かせる部門といえます。

集英社の平均年収や福利厚生

集英社は大手企業ということもあり、平均年収は業界でも高めの傾向にあります。また、福利厚生制度についても充実しているので、安心して働ける環境が整っているといえるでしょう。集英社の平均年収や福利厚生について詳しく解説します。

平均年収は在籍年数によって幅がある

集英社の給与水準は出版業界の中でも高いです。ただし、有価証券報告書などで公表されている平均年収は管理職を含めた全社員の平均値なので、実際の給与は、年齢や役職、評価によって大きく変動します。

とはいえ、若手社員の段階からでも、一般的な企業より高い給与水準であることが推測されます。そのため、給与面では心配せずに働ける環境であるといえるでしょう。

福利厚生制度は大手らしく充実している

集英社は、大手企業らしく福利厚生制度が充実しています。各種社会保険の完備はもちろん、住宅手当や家族手当、企業年金制度など、社員の生活を支える制度が手厚く整えられています。

また、育児や介護と仕事を両立するための支援制度や、社員のスキルアップを後押しする自己啓発支援制度なども用意されているため、ライフワークバランスやキャリアアップの面での支援も手厚いです。

集英社への転職を成功させるポイント

集英社への転職を成功させるポイント

集英社への転職を成功させるためには、以下のようなポイントが重要になります。

  • 応募する部門で求められる人材を把握する
  • 応募する部門で必要なスキルを習得する
  • 面接にて好印象に見えるスーツを着用する
  • 転職エージェントを活用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

応募する部門で求められる人材を把握する

転職を成功させるには、希望する部門がどのような人材を求めているかを深く理解することが第一歩です。例えば、同じ編集部門でも、文芸編集とマンガ編集では求められる資質や経験が異なります。

ビジネス部門であれば、出版業界の知識だけでなく、デジタルマーケティングや営業の具体的な実績が重視されるでしょう。公式サイトの部門紹介や社員インタビューを読み込み、人物像を具体化することが重要です。

応募する部門で必要なスキルを習得する

求められる人材像を把握したら、自身に不足しているスキルを習得するための具体的な行動を起こしましょう。

例えば、デジタル部門を目指すならWebマーケティングの資格を取得する、ビジネス部門を目指すなら法人営業で実績を上げるなど、目標から逆算してキャリアを設計することが有効です。未経験から編集職を目指す場合は、編集プロダクションで経験を積むという選択肢もあります。

面接にて好印象に見えるスーツを着用する

肩幅が合わずシワが寄るとだらしなく見えます。ジャケットはボタンを閉めても窮屈でないもの、パンツは裾が靴の甲にかかる長さにしましょう。
面接はビジネスシーンなので、指定がない限りスーツ着用が基本。リクルートスーツは学生っぽく見えるため避け、ビジネススーツを選びましょう。
参照元:メンズ オーダースーツはKASHIYAMA(カシヤマ)

転職エージェントを活用する

集英社のような人気企業への転職では、情報が特に重要です。出版業界に特化した転職エージェントを活用すれば、業界の動向や企業の内部事情に詳しいキャリアアドバイザーから、集英社に転職するために必要な情報や選考対策に関する具体的なアドバイスを受けられる可能性があります。

結果として、個人で活動するよりも、有利に転職活動を進めることができるでしょう。

集英社に転職したいなら「エンタメ人」!

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※この記事は2025年9月24日に執筆されたものです。

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