「レーベル会社」という言葉は、音楽業界でよく耳にするものの「実際にどんな役割を担っているのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。レーベルはアーティストの作品づくりや世界観の打ち出し方を決める“ブランド”のような存在で、企画・制作・宣伝など幅広い領域に関わります。
一般的にはレコード会社と混同されがちですが、レーベルはよりクリエイティブ寄りの機能を持つのが特徴です。本記事では、レーベル会社の基本的な役割から、主要レーベルの特徴、転職に必要なスキルまで分かりやすく解説します。
目次
レーベル会社とは?基本の役割と業務範囲

レーベル会社(レコード会社)とは、アーティストの音楽制作から販売、プロモーションまでを一貫してサポートする企業のことを指します。簡単に言えば、作品づくりと広めるための活動を総合的に支える存在です。
レーベル会社の主な業務は、大きく「制作」「マーケティング」「アーティストマネジメント」の3つに分けられます。制作では、音源や映像作品の企画、レコーディング、ミキシング、マスタリングなど、作品が世に出るまでの全工程を管理します。
マーケティングでは、リリースタイミングの戦略立案、広告・SNS施策、メディア露出の調整など、作品をより多くの人に届けるための活動を担当します。デジタル配信やサブスクの台頭により、データ分析を活用したプロモーションも非常に重要です。
国内のレーベル会社事情

レーベル会社(レコード会社)が国内でどのように分類され、どんな特徴を持っているのかを整理しましょう。日本には大きく分けて「メジャーレーベル」と「インディーズレーベル」の 2種類があり、それぞれ規模感・制作体制・宣伝力・アーティストへの関わり方が大きく異なります。
自分がどのような音楽活動をしたいのか、どの領域で働きたいのか、を考えるうえで、両者の違いを理解しておくことは非常に大切です。
メジャーレーベルとインディーズレーベルの違い
国内では、「日本レコード協会(RIAJ)」に加盟している企業がいわゆるメジャーレーベルであり、それ以外は広くインディーズレーベルと呼ばれます。両者の大きな違いは活動スケールの大きさと提供できるサポートの幅です。
メジャーレーベルは大規模なマーケティング投資が可能なため、多方面でアーテイストをバックアップできます。例えば、CD リリースは全国展開が基本でプロモーションも強力です。ただ、売上や市場性を重視する分、アーティストの方向性にも一定の調整が求められるケースが少なくありません。
一方、インディーズレーベルは、より自由な音楽性や独自性を重んじる傾向があります。プロモーション予算は限定的で、アーティスト自身が発信・宣伝を担う場面も多いです。しかし、自分らしい表現を追求したい人にとっては非常に魅力的な環境と言えるでしょう。
国内と海外のインディーズレーベルの違い
海外では、メジャーレーベルがごく少数(俗にビッグ4)のため、それ以外の多くがインディーズに分類されます。その結果、海外インディーズは日本よりも規模が大きく、独自の流通網やマーケティング力を持っていることも珍しくありません。
つまり、同じ「インディーズ」という言葉でも、国内と海外では活動環境が大きく異なるということです。日本でいうインディーズ=小規模というイメージは、海外では当てはまらないケースもあるということを覚えておきましょう。
レーベル会社選びに迷ったり、業界の仕組みをもっと深く知りたいという人は、プロに相談すると視点が広がります。
オーディションを開催している主なレーベル会社一覧

ここでは、オーディションを開催している主なレーベル会社を紹介します。所属しているアーティストからも分かるように、それぞれ得意としているジャンルや強みが異なるので、しっかりと把握して自身に合ったレーベル会社を受けることが重要です。
各レーベル会社の特徴やオーディション形態などをまとめると以下のとおりです。
| レーベル名 | 主な特徴 | オーディション形態 | 得意ジャンル |
|---|---|---|---|
| 1 avex | 国内大手。制作〜ライブ〜アニメまで幅広い | 常時+テーマ別大型 | J-POP/ダンス/アニメ |
| 2. ユニバーサルミュージック | 洋楽との契約が多い。実力重視 | 不定期 | ロック/歌謡/ジャズ/洋楽 |
| 3. 日本コロムビア | 老舗。クラシック・アニメにも強い | 常時+専門特化型 | クラシック/アニメ/ポップス |
| 4. ソニーミュージック | 俳優・モデル・クリエイターまで採用 | 常時+ジャンル特化型 | 幅広く展開 |
| 5. トイズファクトリー | 個性派アーティスト多数 | 常時 | ロック/オルタナティブ |
| 6. ワーナーミュージック | 世界的ネットワークに強み | 常時 | 多ジャンル |
| 7. キングレコード | アニメ・ジャズ・フュージョンに強い | 常時 | アニメ/インスト/ワールド |
| 8. B ZONE | 作家・クリエイター特化 | 常時 | 制作系全般 |
| 9. ドリーミュージック | 少数精鋭で丁寧に育成 | 常時 | ポップス/歌謡 |
| 10. フォーライフ | ネット発アーティストも積極的に獲得 | 常時 | J-POP/ロック |
| 11. PONY CANYON | 声優・アイドル・アニメに強い | 常時+大型声優オーディション | アニメ/ポップス |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. avex

国内の最大手レーベルの1つであるavexは、レーベル業のみならず、ライブイベントの開催やアニメ制作、コワーキングスペースの運営など、手広く事業を展開しています。
新人発掘にも積極的で、常時開催しているオーディションの他、不定期でダンス&ボーカルのオーディションや、大会形式のアカペラオーディションなど、多種多様なオーディションを開催しているのが特徴です。
常時開催のオーディションで応募しているのは、ボーカリストやバンドなどのミュージシャンから、女優やタレント、声優まで多岐にわたります。幅広いエンターテイメント分野に携われる大手企業です。
https://avex.com/jp/ja/
2. ユニバーサルミュージック

ユニバーサルミュージックでは、不定期でミュージシャンや俳優のオーディションを開催しています。契約しているアーティストは歌謡からロック、ジャズまで幅広く、メディア露出の少ない実力派アーティストとも契約しています。
洋楽アーティストとの契約が多いのも特徴で、英語力を活かした業務に携わりたい人にもチャンスが多い企業です。
https://www.universal-music.co.jp
3. 日本コロムビア

ジャズやクラシックの印象が強い日本コロムビアですが、近年はポップスやロックのみならず、アニメ関係のアーティストとの契約が増えています。デモ音源による応募を常時受け付けており、ジャンルに特化した企画型オーディションも開催されています。
クラシック限定の作曲オーディションなど、専門性の高いオーディションも開催しており、ポピュラー音楽以外のアーティストにも門戸が広いのが特徴です。
https://columbia.jp
4. ソニーミュージック

ソニーミュージックでは、アーティスト、俳優、モデル、クリエイターなど多彩な人材を募集しています。YouTuberやTikTokerを対象としたオーディションや、男性演劇集団の団員募集など、テーマが明確な選考を多く開催しているのが特徴です。
また、自社のアーティスト養成スクールと連動したオーディションもあり、育成からデビューまで一貫して支援する体制が整っています。
https://www.sonymusic.co.jp
5. トイズファクトリー

トイズファクトリーは、Mr.ChildrenやBUMP OF CHICKENなど、確固たるスタイルを確立しているミュージシャンを多く抱えるレーベル会社です。ジャンル不問でミュージシャンを常時募集しており、オリジナリティを重視する人に向いています。
https://www.toysfactory.co.jp
6. ワーナーミュージックジャパン

世界的音楽グループを母体に持つワーナーミュージックジャパンは、多様なジャンルのアーティストと契約しています。常時デモ音源を募集しており、多くのミュージシャンにチャンスをもたらしているレコード会社です。
https://wmg.jp
7. キングレコード

キングレコードは、アニメ・ジャズ・フュージョンなど幅広いジャンルを手掛けるレーベルで、オーディションを随時実施しています。インスト音楽のアーティストとの契約も多いため、ワールドミュージックなど、他のレーベルにはないジャンルにも携わることが可能です。
https://www.kingrecords.co.jp/cs/default.aspx
8. B ZONE

B ZONEは、作詞家・作曲家・各楽器プレイヤーなど、アーティストを支える音楽家を常時募集しています。アーティストの裏側で音楽制作に関わりたい人に向いているほか、タレントも多く抱えているため、音楽のみならず幅広いエンタメに携われる可能性が高いレーベルです。
https://bzone.co.jp/
9. ドリーミュージック

ドリーミュージックは、歌謡・ポップス系アーティストを中心にデモ音源を常時募集しています。契約しているアーティストの数自体は多くないため、各アーティストをじっくり育成するスタイルが特徴です。
https://dreamusic.co.jp
10. フォーライフミュージックエンターテイメント

フォーライフミュージックエンターテイメントは、ポップスやロック、タレントの楽曲リリースまで幅広い作品を扱うレーベルです。ネット発の歌い手の獲得にも積極的で、時代に合わせた柔軟性のある経営方針が魅力です。
http://www.forlife.co.jp
11. PONY CANYON

PONY CANYONでは、デモ音源に加えて、声優・アイドルオーディションを重点的に展開しています。特に声優オーディションについては、カラオケ動画コミュニティアプリ「KARASTA」とのコラボオーディションを打ち出すなど、デジタル時代に合わせた企画が多いのが特徴です。
また、自社の声優スクールに歌唱力の高い声優を誘致するなど、近年エンタメ業界で幅広く活躍できそうな才能の獲得に積極的です。
https://www.ponycanyon.co.jp
レーベル会社で働くために求められる能力

レーベル会社で働くために求められる能力は、担当する職種によって大きく異なります。アーティストの活動を支えるマネージャー、作品を世に届けるプロモーター、新しい才能を発掘するA&Rなど、求められるスキルセットは多岐にわたります。
ここでは、レーベル会社で代表的な職種ごとに求められるスキルを整理し、転職を目指す人が準備すべきポイントを解説します。
マネージャーに必要な能力
マネージャーは、アーティストに近い位置でその活躍を支えていく存在です。アーティストの将来を共に創っていく役割を担うため、幅広い能力が求められます。音楽全般の知識から、ジャンルやトレンド、シーンの動向を理解しておくことで、アーティストに適切な助言ができたり、企画の質を向上させることができます。
また、ライブや収録、メディア出演など、多くの案件が同時に進むため、アーティストに無理なく仕事できるようにスケジュールを調整する能力も重要です。
さらに、人と関わることが多い職種なので、円滑に意思疎通できるコミュニケーション力も必要になってきます。現場では突発的なトラブルが起こることも多いため、その場の状況を瞬時に判断し、相応しい対応ができる力も必要とされます。
プロモーターに必要な能力
テレビやラジオをはじめとした情報媒体とアーティストのブッキングを行うプロモーターには、音楽番組の出演枠やオンエア枠を獲得するための交渉力が欠かせません。そのため、相手の意図をつかむコミュニケーション力は必須スキルです。
さらに、レーベル会社のトレンドや、他社アーティストのプロモーション動向を把握する情報感度の高さも大切です。どの番組に、どのタイミングでアーティストを売り込むべきかを判断するため、音楽シーン全体への理解が求められます。
また、プロモーターの仕事は移動や連絡業務が多く、スピード感をもって調整する能力も必要です。スケジュールが急に変更になることも珍しくないため、柔軟に対応できる判断力も活躍のポイントになります。
A&Rに必要な能力
A&R(アーティスト・アンド・レパートリー)は、レコード会社の中でも作品づくりの中心を担う職種です。いわば、レコード会社の花形ポジションになります。アーティストに合う楽曲はどのようなものなのかを考え、相応しい作詞家・作曲家・アレンジャーなどのクリエイターとマッチングするのが主な業務です。
それぞれのアーティストにぴったりな音楽をマッチングするには、幅広い音楽知識は欠かせません。さらに、アーティストの強みを理解し、業界に存在しなかった新しいアーティストを生み出すためには、高い企画力やマネジメントスキルも必要になります。
また、制作には多くの関係者が関わるため、進行管理能力も欠かせません。レコーディング日程、MV撮影、リリーススケジュールなどを調整し、スムーズにプロジェクトが進むよう手配する力が必要です。
さらに、ここで紹介した内容以上に制作進行の知識や現場感を深めたい方は、業界に精通したアドバイザーに相談してみるのもおすすめです。「エンタメ人」では、エンタメ専門のキャリア相談を無料で行っており、レーベル会社への転職準備をサポートしています。
レーベル会社への転職を成功させるポイント

レーベル会社への転職を目指すのであれば、企業ごとに求められる人物像や重視するスキルを把握しておくことが大切です。ここでは、選考でアピールすべきポイントや準備しておきたいことを整理して紹介します。転職を成功させるポイントをまとめると以下のとおりです。
- 業界理解を深める
- 職種に合わせて自分のスキルをアピールする
- 実務に近いアウトプットを準備する
- 音楽への情熱と継続力を示す
- 企業との相性を見極める
それぞれ具体的に見ていきましょう。
①業界理解を深める
レーベル会社はJ-POPやバンドシーンだけではありません。アニメ、声優、ダンスボーカル、ネット発アーティストなど、分野ごとに求める専門性が大きく変わります。
そのレーベルが得意とするジャンル、どのようなアーティストを育ててきたか、近年のヒット作品などを押さえておくと、面接での回答に説得力が生まれます。
②職種に合わせて自分のスキルをアピールする
レーベル会社では、マネージャー、プロモーター、A&R、宣伝、ライブ制作など職種の幅が広く、それぞれ必要なスキルが異なります。応募職種を明確にしたうえで、その職種に求められる能力を具体的な経験と絡めてアピールすることが重要です。
たとえば、A&R志望であれば企画力や分析力、マネージャー志望であればスケジュール管理能力やコミュニケーション力など、自分の経験と成果を実例で語れるように整理しておきましょう。
③実務に近いアウトプットを準備する
音楽業界の選考では、職種によって課題提出を求められるケースもあります。新人発掘の提案書、プロモーション案、アーティストの市場分析レポートなど、業務で求められそうなアウトプットを事前に作ってみると、選考時の差別化につなげられます。
④音楽への情熱と継続力を示す
レーベル会社は華やかに見えますが、スケジュール調整や事務連絡、細かいタスクも多い業界です。面接では「音楽が好き」という気持ちと同時に、コツコツと積み重ねる姿勢や継続力も評価されます。音楽活動やイベント運営など、自身が取り組んできたことがあれば積極的にアピールしましょう。
⑤企業との相性を見極める
レーベルごとに扱うジャンルやビジネスモデルが大きく異なるため、自分の志向や強みと合っているかを見極めることも大切です。J-POPが強い企業、アニメ・声優領域に特化した企業、ライブ制作や新人発掘に注力する企業など、特色を理解して応募先を絞ることで、入社後の活躍につながります。
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