ゲーム業界はエンターテイメント分野の中でも特に成長が著しく、多くの求職者から転職先として高い人気を集めています。特に近年は、スマートフォン向けゲームの普及やeスポーツ市場の拡大などを背景に、求人が増え、それに伴い転職希望者も増加傾向にあります。
本記事では、ゲーム業界の転職事情や職種ごとの仕事内容を解説していきます。ゲーム業界への転職を成功させるコツや、ゲーム業界が向いている人の特徴も解説しているので、ゲーム業界への転職を検討している方はぜひご覧ください。
ゲーム業界への転職を目指す人は多い

ゲーム業界への転職を目指す人は多く、転職難易度は高めであるといえます。一方で、職種によっては未経験可の応募を積極的に行っており、未経験者でも転職できるチャンスは少なくありません。
ゲーム業界の転職状況について、詳しく解説していきます。
即戦力の人材を中心に採用している
現在のゲーム業界では、基本的に入社後すぐに活躍できる即戦力の人材を求める傾向が強いです。ゲーム開発はプロジェクトの進行が速く、高度な専門性が要求されるため、教育コストをかけずに開発力を直接強化できる経験者が優遇されます。
特にプログラマーやデザイナーなどの技術職では、過去の開発実績やツール習熟度、プログラミング言語に関するスキルレベルが採用の可否に与える影響が大きいです。そのため、ゲーム業界への転職を目指すのであれば、自身のスキルと実績を明確に示せるかどうかが重要になります。
大手企業や有名企業は競争率が高い
ゲーム業界にはAAAゲームを制作する大手企業からインディーズゲームを制作するベンチャー企業まで、数多くの企業が存在します。中でも大手企業や有名タイトルをリリースした実績がある企業は競争率が高いです。
待遇の良さや制作する作品に魅力を感じ、全国の優秀な経験者が多数応募してくるため、求人枠に対して応募が殺到します。そのため、大手企業や有名企業を志望する場合は、他の候補者よりも秀でた専門スキルや目覚ましい実績がなければ、書類選考を通過することさえ容易ではありません。
そのため、特定の大手企業や有名企業への転職に強いこだわりがないのであれば、中堅企業やベンチャー企業も視野に入れることをおすすめします。
未経験でも転職できる可能性がある
ゲーム業界は経験者採用が中心ですが、未経験からでも転職できる可能性は存在します。業界未経験者が転職しやすい職種は以下の通りです。
- ゲームプログラマー
- ゲームプランナー
- デバッガー
ゲームプログラマーは、ゲーム制作に用いられる言語に関するスキルがあれば、比較的早くから活躍できる可能性があります。
ただし言語を習得していてもゲーム制作における実務経験がない場合は、入社後に現場経験を積みながらスキルアップをすることが求められるでしょう。
ゲームプランナーはゲームの企画を行う職種です。ゲームそのものを企画するスキルはもちろんのこと、場合によってはマーケティングの知見やプレゼンテーションスキルが重視されるため、ゲームに関するスキルがない方でも評価される可能性があります。
デバッカーはゲームをテストプレイしてバグや不具合を発見する仕事です。ゲーム内容を細かくチェックする集中力があれば、ゲーム業界での経験がない方でも採用される可能性があります。
上記のような職種を目指せば、未経験でも十分ゲーム業界に転職できる可能性があります。
平均年収は職種によって異なる
ゲーム業界の平均年収は職種によって大きく異なります。一般的に、開発プロジェクト全体を率いるプロデューサーやディレクターは、総じて年収が高い傾向にあります。
一方で、デバッガーのような専門スキルが必要ない職種は、年収が低い傾向にあり、アルバイトなどで募集している企業も多いです。
自身のスキルや経験、企業規模によっても収入は変動するため、全体的な傾向だけでなく、募集要項をよく確認することが重要になります。
ゲーム業界への転職で求められるスキルは職種によって異なる

ゲーム業界における主な職種は以下の通りです。
- ゲームプロデューサー
- ゲームディレクター
- ゲームプランナー
- ゲームプログラマー
- CGデザイナー
- サウンドクリエイター
- シナリオライター
- デバッガー
それぞれの職種の仕事内容や必要なスキルについて、詳しく解説します。
ゲームプロデューサー
ゲームプロデューサーは、プロジェクトの最高責任者として、予算の確保や管理、全体のスケジュール策定、プロモーション戦略の立案までを統括します。開発現場を指揮するディレクターとは異なり、よりビジネス的な視点からプロジェクトを成功に導く役割です。
制作費の調達、スタッフの人選、販売戦略や広報活動の計画など、多岐にわたる業務を担当するため、マネジメント能力や交渉力、市場の動向を見極めるマーケティングスキルなど、必要なスキルも幅広いです。
ゲームプロデューサーの力量がゲームの売上に大きな影響を与えることも多いため、責任の重い仕事といえるでしょう。
ゲームディレクター
ゲームディレクターは、開発現場のリーダーとして、プロジェクト全体のスケジュールやクオリティを管理する司令塔の職種です。ゲームプランナーが作成した仕様書をもとに、プログラマーやCGデザイナーなどの各部門に的確な指示を出し、開発を円滑に進行します。
ゲーム開発現場全体を管理するため、各部門に関する知識や経験が必要です。また、チームを統率するためのリーダーシップやコミュニケーション能力も必要になります。
加えて、問題発生時には迅速に意思決定を下す判断力も問われるため、要求される能力が高い職種です。
ゲームプランナー
ゲームプランナーはゲームの企画を行う職種で、ゲーム全体をデザインするという意味合いから、「ゲームデザイナー」とも呼ばれます。ゲーム業界の流行や、ユーザーのニーズなどをもとにゲームを企画し、企画が通ったらより詳細な内容を仕様書に落とし込みます。
仕様書にはゲームのルールや画面構成、挙動に関するフローチャートを記載することになるため、頭の中でイメージしているゲームの全体像を論理的に言語化する能力が必要です。
また、ゲームの企画を通すためには、企画の魅力を開発チームに伝えるプレゼンテーション能力が求められます。
イメージしているゲームを現実のものにできるため、ゲーム業界の中でも特にやりがいのある仕事といえるでしょう。
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは、実際にゲームを動かすためのプログラミングを担当する職種です。仕様書に沿ってプログラミングを行い、実際にゲームを動かすためのシステムを構築します。
プログラミング言語を扱うスキルの他、近年は「Unity」や「Unreal Engine」などの主要なゲームエンジンを扱うスキルも要求されることが多いです。また、企業によってはAIに関する知見を求められることも少なくありません。
現在は業界未経験でもプログラミングスキルがあれば転職しやすい職種の1つですが、ゲームに関する技術の発展に合わせ、業界特有のスキルが必要になる場面が増えているため、今後はより専門的なスキルが求められるようになり、未経験での転職難易度が上がる可能性があります。
CGデザイナー
CGデザイナーはゲームデザイナー(ゲームプランナー)とは異なり、ゲームの世界を彩るグラフィックを制作する職種です。キャラクターや背景、アイテムなどをイラストからモデリングし、テクスチャーや陰影の調整などを行ってCGを完成させます。
CGに関する専門的なデザインスキルが必要な他、PhotoshopやIllustratorなどの2Dデザインツールや、MayaやBlenderといった3Dモデリングツールを扱えるスキルが必須です。
また、作成したグラフィックを自然な質感に仕上げるためにも、デッサン力や色彩感覚といった美術の基礎能力が求められます。
サウンドクリエイター
サウンドクリエイターは、ゲームの世界観を彩るBGMや、プレイヤーのアクションに臨場感を与える効果音(SE)を制作する職種です。
特にSEについては場面に応じて音響のコントロールが必要になる場合が多く、細かい調整が求められます。また、状況に応じた音量調整や、音の指向性の調整なども重要な仕事です。
楽曲制作を行う場合は、作曲・編曲スキルの他、DAW(音楽制作ソフト)に関する高い専門性や幅広い音楽ジャンルへの知見が求められます。
一方、SEの制作ではDAWのスキルの他、実際の物理音声を録音してゲームに落とし込む作業などが要求される場合もあり、音に強いこだわりを持つ人が重宝されやすいです。
シナリオライター
シナリオライターは、ゲームの根幹となるストーリーやキャラクターのセリフ、世界観設定などを創作する職種です。
ゲームデザイナーやプロデューサーなどが作りこんできた企画書や仕様書をもとに、ゲームの世界観を作り出します。
プレイヤーがひきつけられるような魅力的な物語を構築するために、高い文章力と構成力が必要です。また、ゲームのシステムや設定との間に矛盾が生じないよう、開発チームと密に連携をとる必要があるため、コミュニケーション能力も要求されます。
有名なゲームのシナリオライターには固定のファンがつくことも少なくないため、やりがいのある仕事の1つといえるでしょう。
デバッガー
デバッガーは、開発中のゲームを繰り返しプレイし、バグと呼ばれるプログラムの不具合や設定ミスを発見・報告する職種です。製品がユーザーの手に渡る前に、多種多様な不具合を洗い出し、ゲームの品質を保証する重要な役割を担います。
地道な作業を根気強く続ける必要があるため、高い集中力と忍耐力が求められます。加えて、発見したバグの内容や発生条件を開発者に分かりやすく正確に伝えるため、論理的な文章力とコミュニケーション能力も必要です。
専門的なスキルが必要な職種ではないため、未経験でも挑戦しやすく、アルバイトで採用している企業も多い職種となっています。
ゲーム業界への転職を成功させるコツ

ゲーム業界への転職を成功させるためには、以下のポイントに注目しましょう。
- 転職しやすい職種を選ぶ
- ゲーム業界に転職したい理由を深掘りする
- 自身のスキルや強みを整理する
- 足りないスキルを身に付ける
- ポートフォリオを作成する
- 転職エージェントを活用する
それぞれ詳しく解説します。
転職しやすい職種を選ぶ
ゲーム業界への転職を成功させるためにまず重要なのが、転職しやすい職種を選ぶことです。基本的に、自身のスキルが活かせる職種を選んだ方が採用担当者に評価されやすい傾向にあります。
例えば、プログラミングスキルに長ける場合は、ゲームプログラマーの募集に応募した方が採用されやすくなります。反対に、特にライティングスキルなども持っていないのに、シナリオライターの募集に応募しても、書類選考で落とされる可能性が高いです。
ゲーム業界を志望する際は、自身のスキルを改めて見直し、採用される可能性が高い職種を選ぶことをおすすめします。
ゲーム業界に転職したい理由を深掘りする
ゲーム業界に限らず、転職活動では志望動機の深掘りが重要になります。単にゲームが好きという漠然とした理由だけでは、競争率が高いゲーム業界での採用は望めません。
ゲーム業界の中でもなぜ応募した職種を選んだのか、入社後に自身のスキルを活かしていかに企業に貢献できるのかを明確にし、具体的に言語化すれば、採用担当者から評価される可能性も高くなります。
ゲーム業界への転職を目指す際は、自身のキャリアプランと企業理念や事業計画を結びつけ、論理的で説得力のある志望動機を構築しましょう。
自身のスキルや強みを整理する
実際に募集に応募する前に、自身のスキルや強みを整理することも、転職を成功させる上で重要なポイントです。
プログラミングやデザインといった直接的な専門技術だけでなく、プロジェクトの管理能力やリーダーシップといったスキルも再認識し、自身の強みとしてアピールできるようにすれば、採用担当者から高い評価を得やすくなります。
ゲーム業界への転職を目指すのであれば、過去の職務経歴を具体的に振り返り、自身の細かい実績も合わせて棚卸ししましょう。
足りないスキルを身に付ける
自己分析の結果、希望する職種に求められるスキルが不足していると判断した場合は、積極的に学習し、能力を補う必要があります。
プログラマー志望であればプログラミングスクールに通ったり、デザイナー志望であればデッサン教室で基礎を学び直すなど、具体的な行動を起こすことが重要です。
スキル取得の時間が取れない場合は、学習ツールで独学でのスキル習得を検討することも、転職の可能性を広げる上で有効な手段となります。
ただし、実務経験が伴っていないスキルは、選考時に軽視されやすいのも事実です。そのため、可能であれば副業などで実務経験を積むか、資格の取得を目指すことをおすすめします。
ポートフォリオを作成する
デザイナーやプログラマーといったクリエイター職への転職を目指す場合、自身のスキルとセンスを証明するためのポートフォリオの提出が必要になることが多いです。
応募者の実力をある程度正確に判断できる重要な資料であり、採用担当者は履歴書や職務経歴書以上にポートフォリオを重視する傾向があります。
オリジナルのイラストや3Dモデル、自身で開発したゲームやツールなどをまとめ、自身の技術力をアピールしましょう。応募する企業の作風や事業内容を研究し、それに合わせた作品を提示することも有効な戦略です。
転職エージェントを活用する
ゲーム業界への転職を成功させる確率を高めるためには、業界特化型の転職エージェントを積極的に活用することをおすすめします。
特化型の転職エージェントであれば、業界の動向や企業の内部事情に精通したキャリアアドバイザーが、スキルや経歴に合った求人を提案してくれます。
また、提出書類やポートフォリオについて、専門家の視点から業界の性質や企業の内部事情などを踏まえたアドバイスを受けることが可能です。
面接対策をはじめとした手厚いサポートも受けられるため、効果的な転職活動を進めたいのであれば、転職エージェントの活用を検討しましょう。
ゲーム業界への転職に向いている人の特徴

ゲーム業界に転職をして評価されやすい人の特徴は以下の通りです。
- ゲームに対する好奇心が強い
- 論理的思考ができる
- 新しい技術の導入に抵抗がない
- チームでの作業が得意
- 自身が裁量をもって仕事をしたい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ゲームに対する好奇心が強い
ゲーム業界で活躍するためには、ゲームに対する尽きない好奇心が不可欠です。特定のゲームがファンに愛される理由や、プレイヤーから高い評価を受けるシステムなどについて常に分析し、探求する姿勢が求められます。
特に新しいゲームや話題の技術に関する情報を積極的に収集し、自身の知識やスキルをアップデートし続けることが不可欠です。プレイヤーの目線だけでなく、作り手として技術面やマーケティング面に関する能力を更新していくことが、ゲーム業界で働く上では重要になります。
論理的思考ができる
ゲーム開発は、クリエイティブな発想と同時に、極めて論理的な思考が求められる作業です。ゲームを面白いと感じる感覚的な要素を具体的なゲームシステムやデータに分解し、再構築する能力が求められます。
特にゲームプランナーは、ゲームのターゲット層を定めた上で、ターゲット層が求めるシステムや世界観を体系立てて言語化できる能力が必要です。
加えて、問題が発生した際に原因を冷静に分析し、筋道を立てて解決策を導き出す能力が、職種を問わず重要になります。
新しい技術の導入に抵抗がない
ゲーム業界は技術革新のスピードが速く、常に新しいテクノロジーが登場します。そのため、新しいの技術トレンドを積極的に学び、自身の仕事に取り入れることに抵抗がない人が求められます。
新しいゲームエンジンやVR/AR技術、AIの活用など、変化を楽しみながら自身のスキルをアップデートし続けられる柔軟性が不可欠です。
業界で長く活躍するためには過去の成功体験に固執せず、常に新しい表現や効率的な開発手法を探求する姿勢が必要になります。
チームでの作業が得意
基本的に、企業におけるゲーム制作は個人で完結することはなく、特定の領域に関する専門性を持つスタッフが集まり、大規模なチームで開発されることがほとんどです。そのため、個人のスキルの高さだけでなく、チームの一員として円滑に業務を進められる協調性が求められます。
他者の意見を尊重しつつ自分の意見も的確に伝え、建設的な議論を行うことで、チーム全体の生産性を高め、共通の目標に向かって円滑にプロジェクトを進めることが可能です。基本的な報連相だけでなく、作業についてより綿密な連携を取れる人であれば、ゲーム業界でも活躍できるでしょう。
自身が裁量をもって仕事をしたい
ゲーム開発の現場では、指示された作業をこなすだけでなく、自身で課題を発見し、主体的に改善を提案していく姿勢が歓迎されます。特に、新しいプロジェクトや比較的小規模な開発会社では、個々のスタッフに与えられる裁量が大きいことが多いです。
一方で、裁量が大きい仕事にプレッシャーを感じ、精神的な負担になる人にとっては、ゲーム業界の仕事が向かないことが少なくありません。ゲーム業界で活躍したいのであれば、自身の業務に責任を持ち、プロジェクトを能動的に動かしていきたいという意欲が必要です。
ゲーム業界への転職に関するよくある質問

ゲーム業界への転職に関するよくある質問をまとめました。
ゲーム業界への転職を検討する前に、あらかじめ把握しておきましょう。
ゲーム業界への転職をやめた方がよい人の特徴は?
単にゲームをプレイすることが好きなだけで、ゲームを作ることへの興味や探究心がない人は、転職後に理想と現実のギャップを感じる可能性があります。
また、ゲーム開発は、地道で論理的な作業や、チーム内での度重なる調整の連続です。加えて、厳しい納期や急な仕様変更に対応するストレス耐性も求められます。
そのため、他者とのコミュニケーションを避けたい、自分のペースで黙々と作業したいという志向が強い人も、チーム開発が基本のゲーム業界には馴染めない可能性が高いです。
ゲーム業界以外でゲーム好きが向いている職業は?
ゲームが好きな人は、ゲーム業界以外でも多くの職業に適性があります。例えば、ゲームのタイムリーな情報や攻略記事を執筆するWebメディアの編集者やライターになれば、自身のゲームに関する経験が有利に働く可能性が高いです。
また、eスポーツ関連のイベントを企画・運営する仕事や、ゲームキャラクターのグッズを扱う企業の企画・マーケティング職なども、ゲームへの情熱を活かせる魅力的なキャリアパスといえるでしょう。
ゲーム業界への転職したいなら転職エージェントを活用しよう

ゲーム業界への転職を成功させたいのであれば、業界に特化した転職エージェントの活用が効果的です。ゲーム業界の採用市場や企業の内部事情に精通した専門のキャリアアドバイザーが、あなたのスキルセットやキャリアプランに適切な求人を厳選して紹介してくれます。
「エンタメ人」ではゲーム業界を始め、音楽やイベントなど、幅広いエンタメ業界での求人に特化しています。ポートフォリオのブラッシュアップや面接対策など、専門家の視点から包括的なサポートを受けられるので、ゲーム業界への転職を検討しているのであればぜひ活用してみてください。