「キャラクターを商品や広告に使いたいけれど、相場がどれくらいなのかわからない…」そんな悩みを持つ担当者の方は少なくありません。
キャラクターライセンスの料金は「このキャラクターは〇円」と決まっているわけではなく、使用期間・用途・地域・生産数量など、複数の要素によって大きく変わります。さらに、出版社やライセンス管理会社によってロイヤリティ料率や最低保証額が異なるため、初めての方には仕組みそのものがわかりにくいでしょう。
この記事では、キャラクターライセンスの相場の基本構造から、実際の計算方法、具体的な料金例、注意点までを初心者にも分かりやすく解説します。キャラクターの活用を検討している企業の方は、ぜひ費用感の目安として参考にしてください。
目次
キャラクターライセンスとは?

キャラクターライセンスとは、アニメ・漫画・映画・ゲームなどに登場するキャラクターを、企業や個人が商品や広告などで使用するために「使用許可(ライセンス)」を得る仕組みのことです。
たとえば、人気アニメのキャラクターをお菓子のパッケージやTシャツに使う場合、そのキャラクターの著作権を持つ「権利元(ライセンサー)」に対して、正式な許可をもらう必要があります。許可を得て初めて、合法的にキャラクターを使えるようになる仕組みです。契約内容には、使用できる期間・地域・商品カテゴリ・使用方法(広告・グッズ・イベントなど)が細かく決められています。
近年では、アニメやゲームだけでなく、企業や自治体のオリジナルキャラクター、SNS発の人気キャラなどもライセンス化されており、コラボ商品やキャンペーンに活用される機会が増えています。
つまりキャラクターライセンスとは、「キャラクターを使いたい企業が、権利元と契約を結んで正しく使用するための仕組み」といえるでしょう。
キャラクターライセンスの料金が決まる要素

キャラクターライセンスの料金(ロイヤリティ)は、単純に「人気キャラだから高い」というだけではなく、複数の条件を組み合わせて決まります。企業がキャラクターを使う場面は、テレビCM・パッケージ・イベント・Web広告など様々で、それぞれに応じて費用も変わる仕組みです。
ここでは、料金に大きく影響する5つの要素を詳しく解説します。
使用期間
キャラクターをどれくらいの期間使用するのかは、料金に大きく関わります。短期間(1週間〜1か月程度)のキャンペーンであれば、比較的費用を抑えやすい傾向ですが半年〜1年以上など長期で使う場合は、「露出の機会が増える」「キャラクターの世界観がブランドに深く関わる」といった理由から料金が高くなるでしょう。
また、長期契約は更新料が発生する場合もあり、契約時に確認しておくことが大切です。
使用用途
キャラクターを「どのように使うか」によっても金額が変わります。露出が大きく、キャラクターがブランドの顔となる用途ほど料金が高くなる傾向があります。用途ごとのイメージは以下の通りです。
- 広告(テレビ・Web・屋外):高くなる場合が多い
- 商品パッケージ:店頭に並ぶため露出が大きく、費用はやや高め
- グッズ製造:数量や販売方法によって料金が変動
- WebサイトやSNS:比較的低コストなケースもある
同じキャラクターでも、 「パッケージで使うのか」「SNSだけで使うのか」で料金が大きく変わるため、用途の明確化は非常に重要です。
利用地域
キャラクターを使用できる地域の広さも料金に直結します。たとえば、東京だけで使う場合と全国に流通する商品パッケージで使う場合では、同じキャラクターでも費用は大きく変わってくるでしょう。
また海外展開をする場合は、国ごとに権利・商標の扱いが異なるため、追加契約が必要になるケースもあります。
独占権の有無
「自社だけがそのキャラクターを使えるようにしたい」という場合は、独占契約(エクスクルーシブ契約)となり、料金が大幅に上がることがあります。
- 独占契約:他社は同時期に同キャラを使用できなくなるため、費用が高い
- 非独占契約:複数の企業が利用可能で、費用は抑えやすい
独占は大きなメリットがある一方で、 「どの範囲を独占とするのか(地域・商品ジャンルなど)」を細かく定める必要があります。
キャラクターの知名度
キャラクターの人気度・注目度は、料金に強く影響します。
- 国民的キャラクター
- テレビやSNSで話題のキャラ
- 映画公開やイベントで盛り上がっているキャラ
は、ロイヤリティが高く設定されやすい傾向にあります。一方で、知名度はそこまで高くなくても、自社のターゲット層にぴったり合うキャラクターであれば、費用以上に大きな効果につながることがあります。
キャラクターライセンスの相場

では、キャラクターライセンスの相場はどのくらいなのでしょうか。ここでは商品やグッズにキャラクターを使用する場合の費用の考え方を見ていきましょう。キャラクターライセンスを利用する際の料金は、基本的に[商品上代]×[ロイヤリティ料率]×[生産個数]という計算式で決まります。
ここでいう「商品上代」は、商品が店頭に並んだときの販売価格のことです。たとえば、1,000円(税込)の商品であれば、その1,000円が計算の基準になります。
ロイヤリティ料率はキャラクターによって異なり、出版社やライセンス管理会社が設定しています。集英社やポプラ社によると、商品ジャンルやキャラクターの人気度によって料率は変動しますが、一般的には5%〜10%前後が目安とされています。
実際の契約では、最低保証額が設定されるケースもありますが、まずはこの基本式を理解しておくと全体像が見えやすくなります。
参照:小学館集英社プロダクション
参照:ポプラ社
キャラクターライセンス利用料金の例
では、実際にどれくらいの費用になるのか、具体例を使って見ていきましょう。たとえば、店頭価格1,000円(税込)のキャラクターグッズを1,000個生産し、ロイヤリティ料率が5%の場合、計算式は以下の通りです。
1,000円(商品上代) × 5%(ロイヤリティ料率) × 1,000個(生産数量)= 50,000円(税込)
この50,000円が、キャラクターを利用するためのロイヤリティ使用料になります。もし料率が10%なら、同じ商品でも100,000円(税込)という計算です。キャラクターが有名になればなるほど料率が高くなる傾向があるため、同じ数量でも費用に大きな差が生まれます。
また、商品によってロイヤリティ料率が細かく設定されており、書籍、文具、おもちゃ、アパレルなどジャンルごとに異なります。そのため、「どの商品で使うのか」「どれくらい生産するのか」を決めてから見積もりを取ることで、より正確な費用を把握できるでしょう。
キャラクターの使用に料金が発生するケース

キャラクターを使うときには、必ずしもすべての場面で料金が発生するわけではありません。しかし、企業が商品や広告にキャラクターを使う場合は、ほとんどのケースで「ライセンス料(使用料)」が必要になります。ここでは、初心者の方でも判断しやすいように、料金が発生する代表的なケースをわかりやすく説明します。
商品やグッズにキャラクターを使う場合
もっとも代表的なのが、キャラクターを商品そのものにデザインとして使用するケースです。お菓子、文房具、アパレル、玩具、雑貨などにキャラクターを入れる場合は、必ず権利元とのライセンス契約が必要になり、ロイヤリティ料が発生します。
たとえば、アニメキャラをプリントしたTシャツ、絵本キャラをあしらった文具セットなどはすべて該当します。
パッケージデザインに使用する場合
商品そのものではなく、商品パッケージにキャラクターを入れる場合も料金が必要です。パッケージは店頭で長く人の目に触れるため、使用料が比較的高くなることもあります。
広告(テレビCM・Web広告・チラシなど)で使用する場合
テレビCM、ポスター、SNS広告、Webサイトバナーなど宣伝目的での使用もライセンス料が発生します。広告は露出が大きく、キャラクターが強い影響を与えるため、特に費用が高くなる傾向があります。「キャラクターがブランドの顔になるケース」は料金が大きくなる、と覚えておくとイメージしやすいです。
店舗装飾やイベントで使用する場合
店頭POP、ショップの装飾、イベントブース、キャンペーンの特設スペースなどにキャラクターを使う場合も契約が必要です。イベントは期間が限定されていても、来場者への露出が多いため、特別な契約形態になることもあります。
Webサイト・SNSなどデジタルでの利用
企業の公式サイト、キャンペーンLP、SNS投稿にキャラクターを使う場合も、多くの権利元ではライセンス契約が必要です。「Webなら無料で使えるのでは?」と誤解されやすい部分ですが、商用利用にあたるため、無断使用は基本的にできません。
キャラクターのライセンスを取得するまでの流れ

キャラクターライセンスは、キャラクターを商品や広告に使うために必要な「正式な許可」です。取得の流れを知っておくと、問い合わせから契約までのイメージがつかみやすく、スムーズに進められます。
ここでは、初心者でも理解しやすいように、一般的な手順を順を追って説明します。
1. ライセンス契約の目的と活用範囲を明確にする
まずは、自社が「なぜキャラクターを使いたいのか」を整理します。商品に使うのか、広告に使うのか、イベントで使うのかによって、必要な契約も費用も変わるためです。
あわせて、どの媒体で使うのか(パッケージ、CM、SNSなど)、どの地域で使うのか(東京のみ、国内全域など)といった活用範囲も事前に決めておくと、権利元への相談がスムーズになります。
2. 使用したいキャラクターの権利元を調べる
キャラクターの著作権を持っている企業(権利元)は作品ごとに異なります。アニメなら制作会社や出版社、企業キャラクターならその企業、地域キャラなら自治体など、管理元が変わるので確認が必要です。
権利元は公式サイトに記載されていることが多く、ライセンス窓口が設けられている場合もあります。
3. 権利元(ライセンサー)へ問い合わせ・申請を行う
権利元がわかったら、ライセンス担当窓口へ問い合わせをします。この段階では、キャラクターの使用目的や企画内容をシンプルに伝えれば問題ありません。使用用途が決まっている場合は、申請書の提出を求められることもあります。
4. 利用内容(期間・媒体・地域など)をすり合わせる
問い合わせ後は、権利元と利用の詳細を詰めていきます。
- 使用期間
- 使用する媒体(商品、広告、SNS、イベントなど)
- 利用地域(東京限定、全国、海外展開など)
この内容によってロイヤリティ(利用料)が決まるため、とても重要なステップです。
5. 契約条件とロイヤリティ(使用料)を確認する
すり合わせが終わると、権利元から具体的な見積もりや契約条件が提示されます。ロイヤリティ料率、最低保証額(ミニマムギャランティ)、契約期間、使用ルールなどをしっかり確認しましょう。
もし不明点があれば、この段階で必ず質問しておくと、後のトラブルを防ぐことができます。
6. 契約書を締結し、正式にライセンスを取得する
条件に問題がなければ、契約書を締結します。ここでは、双方が「契約内容に同意した」という公式な証明となるため、細かい条項まで確認しておくことが大切です。
契約書が交わされれば、正式にキャラクターライセンスを取得できます。
7. 使用開始後もガイドライン遵守と報告義務を忘れずに
契約が終われば、それで完了ではありません。キャラクターには、色・形・表情・使い方などの細かい「デザインガイドライン」が用意されており、それに沿って制作する必要があります。
また、売上報告や制作物の提出など、契約ごとに定められた報告義務がある場合も。契約後の運用も適切に行うことで、継続的な利用や次回契約にもつながりやすくなります。
キャラクターライセンスを取得する際に注意すべきポイント

キャラクターライセンスは、商品や広告の企画に大きな効果をもたらしますが、契約内容を正しく理解しておかないと後からトラブルになることもあります。ここでは、契約前に必ず押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
使用範囲(媒体・地域・期間)を明確にしておく
キャラクターを「どこで・どのように・どれくらいの期間」使うのかは、契約でもっとも重要な項目です。たとえば、SNS限定で使うのか、パッケージに印刷するのか、全国展開する商品なのかで、必要な契約内容も料金も大きく変わります。
使用範囲が曖昧なまま契約すると、「予定していた用途に使えなかった」「想定外の追加費用が発生した」というケースもあるため、企画段階からしっかり整理しておきましょう。
ロイヤリティ(使用料)の算定方法を正確に理解する
ロイヤリティは、「商品価格 × ロイヤリティ料率 × 生産個数」といった形で計算されることが一般的です。
料率はキャラクターごとに異なり、さらに最低保証額(ミニマムギャランティ)が設定されることもあります。「思ったより高かった…」とならないよう、計算方法を理解したうえで事前に見積もりを確認しておくことが大切です。
キャラクターのイメージを損なわない使い方を徹底する
キャラクターには、「世界観」や「ブランドイメージ」があり、使い方を誤ると権利元からNGが出ることがあります。たとえば、キャラクターの性格に合わないセリフを使ったり、商品のイメージと大きくズレた企画に登場させたりすると、審査で修正を求められることも。
ライセンス契約をスムーズに進めるためにも、キャラクターの設定やイメージに合う企画を意識して使うことが重要です。
契約内容の更新・終了条件を確認しておく
契約期間が終わった後は、更新しなければキャラクターの使用はできなくなります。使用期間終了後に商品が店頭に残っていても、契約が切れていれば回収が必要になるケースもあります。
また、更新料や終了後の取り扱いについては権利元によって異なるため、契約前に必ず確認しておくと安心です。
ガイドライン違反による契約解除リスクに注意する
権利元が用意している「キャラクター使用ガイドライン」には、色の扱い方、ポーズの変形禁止、使ってはいけない用途などが細かく記載されています。これに違反すると、修正対応だけでなく、契約解除になることもあります。
ガイドラインは必ず制作チーム全体で共有し、誤った使用をしないようにチェック体制を整えておきましょう。
著作権・商標権の範囲を正しく理解しておく
キャラクターに関わる権利はひとつではなく、以下のように複数にまたがることがあります。
- 著作権
- 商標権
- デザイン権(キャラクターによっては該当)
特に商標権は「名前」や「ロゴ」に関わるため、画像だけでなくキャラクター名を使うだけでも契約が必要な場合があります。
権利の扱いを誤らないためにも、契約書の内容はしっかり確認しましょう。
ライセンスエージェントや弁護士を活用してトラブルを防ぐ
キャラクターライセンス契約は、初めての企業にとって複雑に感じやすいものです。内容に不安がある場合は、専門のライセンスエージェントや弁護士に相談すると、契約の見落としや誤解を防ぎやすくなります。
特に、複数媒体で長期間使用する場合や、海外展開を考えている場合は、専門家のチェックがあると安心です。
キャラクターを選ぶポイント

キャラクターを起用するときは、「なんとなく有名だから」という理由だけで選んでしまうと、思ったような効果が出ないことがあります。大切なのは、商品・サービスとの相性やブランド戦略を踏まえて、目的に合ったキャラクターを選ぶことです。
商品やサービスのターゲット層と親和性があるか確認する
キャラクターを選ぶ際に重要なのが、自社の商品やサービスのターゲット層と合うかどうかです。たとえば、子ども向けの商品であれば教育系キャラクターやアニメキャラ、大人向けのブランドなら落ち着いた雰囲気のキャラなど、ターゲットに好まれやすいキャラクターを選ぶことで、訴求効果が大きく高まります。
ブランドイメージに合った世界観・性格のキャラクターを選ぶ
キャラクターには、それぞれ独自の性格や世界観があります。自社のブランドイメージとかけ離れたキャラクターを起用してしまうと、消費者に違和感を与えてしまうことも。
「親しみやすさを出したいのか」「上品で落ち着いたイメージを伝えたいのか」など、ブランドの方向性に合わせてキャラクターの持つ雰囲気を選ぶことが大切です。
認知度や人気度だけでなく好感度にも注目する
有名であることは強い武器ですが、必ずしも知名度の高さ=効果が出るではありません。ターゲット層にどれだけ好かれているか、共感されているかという「好感度」も重要な判断ポイントです。
特にSNSで人気のキャラクターは、好感度が高いほど投稿の拡散や話題化につながりやすくなります。
タイアップ目的(販促・ブランディング・話題化など)を明確にする
「なぜキャラクターを使いたいのか」を明確にしておくことも大切です。
- 短期間の売上アップを狙うのか
- 企業イメージ向上のためなのか
- SNSを中心に話題化を狙いたいのか
目的によって、選ぶべきキャラクターのタイプが変わります。販促目的なら認知度の高いキャラ、ブランディングなら世界観が合うキャラなど、目的と起用キャラクターが合致することで効果が出やすいでしょう。
他社での起用実績や露出状況をチェックする
同じキャラクターがすでに他社でも使われている場合、その企業のブランドイメージと重なってしまい、自社の独自性が薄れてしまうことがあります。過去の起用事例や現在の露出状況を確認することで、ブランドの重なりを避けたり、差別化の方向性を考えたりできます。
特に期間中に他社と同時に使われているケースがあると、キャンペーンの印象がぼやける可能性もあるため注意が必要です。
ライセンス費用(相場)と見合う効果を見極める
キャラクターによってライセンス費用は大きく異なります。人気キャラほどロイヤリティが高くなりますが、費用に対して見返りが十分に期待できるかどうかを冷静に判断することが重要です。
必ずしも「有名キャラ=正解」ではなく、ターゲット層に合っていれば認知度の高くないキャラでも十分に効果を発揮することを頭に入れておきましょう。
長期的な活用を見据えて契約期間を検討する
キャラクターを使った企画は、短期のキャンペーンだけでなく、長く続けることでブランドの印象を定着させやすくなります。長期利用を考える場合は、契約期間や更新条件、使用料の発生タイミングなども確認しておくと安心です。
キャラクターの世界観を継続的に伝えることで、ファンの獲得やブランド価値の向上につながるケースも多くあります。
キャラクターライセンスを検討するならまずは相場の理解から

キャラクターライセンスは、商品や広告の印象を大きく変える力を持つ一方で、料金体系が複雑に感じられがちです。相場は使用用途・地域・期間やキャラクターの知名度によって大きく変動します。
今回紹介した流れや注意点を押さえておけば、必要な費用の見通しが立てやすくなり、キャラクター活用をより安全かつ効果的に進められるはずです。
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