C Channel株式会社・取締役 丹羽 歩氏が語る メディア業界の動向


『エンタメ人☆彡』がお届けする、エンタメ業界のトッププロデューサー/経営者へのインタビュー連載。エンタメ業界へ転職を考えている20代の方たちへ向けて、若手時代の苦労話から現在の業界動向までを探っていく。第13回は、メディア/インフルエンサー業界を取り上げる。(編集部)

丹羽 歩(にわ・あゆむ)

C Channel株式会社・取締役インフルエンサー事業本部長

上智大学卒業後新卒で株式会社オールアバウトに入社。メディア企画、商品企画、新規メディア立ち上げなどに携わる。2010年より株式会社ユーキャンに転職。広告出稿やSEO、アクセス解析、開発ディレクションなどのECサイト運営を担当。2013年に株式会社リッチメディアへ転職。メディア事業に携わり、約一年半で担当メディアの売り上げを2倍、MAU数を5倍へと成長させる。20188月にC Channelに入社。

「誰もが自分らしく輝ける機会を創る」ために、取り組んできたこと

──まずは、御社の事業内容とビジョンに関してお伺いできますか。

まず、事業内容としましては、メディア事業・インフルエンサー事業を手がけています。

メディアについては、会社名にもなっている日本最大規模の女性向け動画メディア「C CHANNEL(シーチャンネル)」と、育児中の女性向け動画メディア「mamatas(ママタス)」、2020年にスタートした「newme(ニューミー)」(編集部註:日本経済新聞社と共同で運営する動画メディア)という主に30代〜40代の働く女性向けのメディアを展開しています。

これらメディアを通じて情報発信することに加え、インフルエンサー事業にも取り組んでいます。日々、インフルエンサーは様々な情報発信をされていますが、自分に必要な情報を受信したいと思っているユーザーへ向けて、適切に情報をお届けできるよう努めています。

これらの事業が目指すところは、誰もが自分らしく輝ける機会をることです。

コロナ禍の状況を受けてさらにその想いが強まった部分もありますが、前提として、近年、人々が携わる仕事を、機械によって代替させる状況が進んでいると思っていまして。

そのなかで僕たちができることを考えたとき、情報発信を通じて、まず自信を持っていただき、これまで挑戦できなかったことにも取り組むことができるんだということをお伝えしたいと。

アメリカやヨーロッパなどでは、他国からの移民が増えたことで移民に仕事を取られたと主張する人が増えたり、簡単に他国の人にオンラインで仕事を頼める状況が活発になったりすることで極右ナショナリズムが支持されてきています。日本も、そこまでではないものの、近い状況になる可能性もあると思っています。

ただし、日本は、国際的にみたときに、幸いにも言語が特殊なので、海外の方々が日本の労働環境に入ってきて仕事をどんどん取っていく…ということは、欧米に比べると少ないものの、機械や時間単価が相対的に安い他国の方に仕事を取られたと思う前に、ひとりひとりが自分らしく輝ける環境を作れたらと思っています。

──コロナ禍を経て、再確認された問題であったということですね。

そうですね。もともとメディアコミュニケーションを通じて世の中を元気にしていきたいという想いがあって、コロナ禍の状況を受けて、そうした取り組みをする必要性が、さらに高まったという認識です。根底には、この国を元気にしたいという想いがずっとあります。

インフルエンサー事業でも「輝ける場を提供」という軸は変わらない

──「C CHANNEL」はメディア事業でありながら、インフルエンサーの方々の協力を得て、ファンとの関係性を築かれていますね。

もともと「C CHANNEL」においても、著名なタレントさんによる動画を配信するのではなく、今でいうところのインフルエンサーと呼ばれる方々の動画を集め、みなさんの力をお借りしながら、情報発信をしたいという意図がありました。

それによって、その情報にふれた方の外見がよくなったり、自分のことを好きになれたり…。そういう形で、みなさんを元気にするお手伝いをしていきたかったという目的があります。

──2020年4月には、インフルエンサーと企業のマッチングプラットフォーム「Lemon Square」を立ち上げられました。

「Lemon Square」は商品やサービスを試して欲しい企業とそれに興味があるインフルエンサーをオンラインでつなぎ、実際に試用することで関係を深めることができるプラットフォームです。

Lemon Square」がターゲットとしているのはマイクロ・ナノインフルエンサー(編集部註:フォロワー数千〜10万人程度のインフルエンサーの総称)です。この方々は、クライアントの目にとまって初めて、仕事が割り当てられるような方たちです。

そういう意味では、「Lemon Square」や「C CHANNEL」はSNSにおいて認知度・信頼感がありますので、当社が「この方は、いい仕事をしてくれるよ」というのをうまく可視化することで、マイクロ・ナノインフルエンサーの方々にも安定的に仕事が入ってくる環境を作れればいいなと。さらに輝ける場を提供できればと考えてます。

そして、企業からしても、ちょっといいなと思った方がいても、フリーでやってらっしゃる方だとなんとなく不安ということもあると思います。その不安解消の一助にもなりたいと考えています。

根っこの部分は、従来と同じことをやっているだけなのですが、今後は、によってより注目を浴びやすい環境を作っていきたいと思っているところです。

日本のメディアに対する危機感がモチベーションに

──丹羽さんのこれまでのキャリアについても、お伺いできればと思っております。メディア企業という軸で、これまでご活躍されてきました。

もともと、メディアを通して、日本を元気にしたいという想いがありました。PV数、動画再生数、視聴率を取るために、暗いニュースやレベルの低いゴシップが多く、メディアを通じて情報を受け取った人が次の行動を変えられるようなことが少なく、ここを変えないと日本はよくならないと思っています。「C CHANNEL」への参画も、そうした想いで会社と共感できたからだと思います。

──実際に「C CHANNEL」に参画されていかがでしたか。

私が当社に参画したのは、2018年8月です。かなりのスピードでメディアが成長し、ファンが増え、売上拡大し、コストを最適化して利益を出しはじめなければいけないフェーズでした。コストを目的に合わせて、うまく配分し、組織の力を引き出していかないと、単なるコストカットになり、勢いが削がれてしまいます。そうした難しさはあるフェーズだと思いました。

また、対外的なところでは、「C CHANNEL」は動画が今ほど流行る前から、かなり多くのフォロワーさんを獲得していたんですけど、一般の方が自分で動画を撮って、視聴者から支持を受けるという、いわゆるYouTuberの台頭というのは、世の中的にも想定以上のスピードだったと思いますし、メディアというものが存在する意味が一瞬ぐらついた瞬間だったんじゃないでしょうか。そうした流れに対し、どう向き合うかといった難しさはあったんじゃないかと思います。

──ありがとうございます。激動の時期に「C CHANNEL」参画され、TOKYO PRO Marketへの上場、さらなる事業成長へと向かわれる丹羽さんの、20代当時のお話も伺えればと思います。

新卒当時は、オールアバウト株式会社に入社しました。

そこでは、ユーザー向けのメディアの企画と、法人向けの広告の仕事の両方を担当していました。当時、仕事が楽しくて、よく働いていたと思います。

インターネット企業に入ったわけですが、お客さんの反応がダイレクトに感じられるとか、自分が携わったことを実際に形にして届けられる面白さを感じました。消費者のリアクションを直接見られるサービスは、当時とても貴重だと思いました。

また、当時上司から言われたことで印象的だったことがいくつかあります。

一つが、「大人と子供の違いは何だ」というもの。たとえば、感情をコントロールできることが大人だと思うわけじゃないですか。僕は当時、思ったことをそのまま言ってしまうタイプだったので、仕事の基礎をそこで教わったと思います。

一方で、感情を殺すということとコントロールするということは違っていて、継続的によい仕事を続けていくためにはコントロールすることが重要。これは、今に活きている部分があります。

スキルよりも相性。互いに共感しあえることが最重要

──人材のお話もお伺いできればと思います。いま御社ではどんな方が活躍されていますか?

誰が特に…というよりも、全員がそれぞれの領域でパフォーマンスを発揮してくれているので、まさに誰が抜けても困ってしまう状況ですね。それぞれの役割を全うしているいうことなのかなと。

──今後、どのような人材を求めていらっしゃるのでしょうか。

どんなに優秀な方であっても、やっぱり合う・合わないで、パフォーマンスの発揮の仕方が全然違う印象があるので、会社の社風とその人の相性が合っているかどうかを優先するようにしています。共感できるっていうのが一番大事だと思っていますね。

──最後に、御社で働くことの魅力についてもお伺いできればと思います。

自由度の高さかなと思っています。自由といっても当然、なんでもできるという意味ではないのですが、色んな形態での働き方があってもいいですし、成果を出せれば自分のペースでも良いと思っています。

また、私が管掌している「Lemon Square」をはじめ、様々な新規プロジェクトを立ち上げています。良い意味で、まだ形は整いきっていない段階から事業に参画されたい方、ゼロに近いところからの経験がほしい方にとっては、とても魅力的なフェーズなんじゃないかなと考えています。

〔取材は2021年2月18日、C Channel株式会社にて〕